
「車検ってどんな項目を点検しているのか分からない。」
「車検を通そうとしたら想定していたよりも時間がかかってしまった。」
といった疑問やお悩みを抱えている方はいらっしゃいますか?
車検では点検するための項目が決められています。
タイヤやライトをはじめとした分かりやすい部分から、普段聞きなれない部品の検査までチェックする部分は幅広いものとなります。
これらのチェックポイントで不備が重なってしまうと車検期間は自然と伸びてしまいます。
点検項目のメンテナンスを日頃から行うことで車検にかかる時間は短くなります。
そのため今回は「そもそも車検って…?」という疑問から、実際に点検している項目を細かく分析致します。
さらに自分で確認できるポイントのメンテナンスをこまめに行うことで自身の車を長持ちさせることも可能なので、自分で確認できる項目をまとめました。
そもそも車検とは?
車検とは公道を走るうえで必要な検査のことで正式名称を「自動車検査登録制度」といいます。
安全性の確保や、公害防止などを目的にしており、国が定める法律の1つとなっています。
検査のチェック項目も厳密に決められています。
検査を受けるための期間は自家用乗用車の場合は初回が3年、それ以降は2年ごとの検査が必要になります。
もしこの期間内にこの検査を合格しなければ公道を走ることができなくなってしまうので、車検は期間内に必ず受けるようにして下さい。
車検と24ヶ月点検の違い
良く混同されやすい点検に『24ヶ月点検』があります。
同じように捉えている方もいるかもしれませんが、車検と24ヶ月点検は別の内容となっています。
車検と24ヶ月点検の違いはそれぞれの目的にあります。
『車検』はあくまでも【国が定めた基準を車が満たしているのか】を確認する検査となっています。
その為、車自体の性能が下がっていても保安の面が問題ないのであれば車検を通すことは可能。
一方で『24ヶ月点検』は【車を正常な状態に保ち、事故を未然に防ぐため】の検査を行っています。
24ヶ月点検は車検と違い義務ではありません。
車検費用にプラスで費用がかかってしまうため、24ヶ月点検を行わないという選択肢もあります。
その分費用をおさえることはできます。
ただ、車検では気づかない部分を見落としてしまうこともあり、故障や事故の原因になってしまうこともあります。
そうなると結果的に24ヶ月点検にかかる以上の費用がかかってしまうことにもなります。
可能であれば車検と24ヶ月点検は一緒に受けることをおすすめします。
車検の検査項目 【見た目】
車検と24ヶ月点検の違いをお伝えしたところで、“車検”で行う検査項目を解説します。
■タイヤの状態
「亀裂、コード層の露出等著しい破損の無いものであること」という基準が存在しています。
タイヤは消耗品です。走ればその分摩耗してしまうため、溝の深さが1.6ミリ未満になったらスリップサインというものが出ている場合があります。
この時は車検の前にタイヤ交換を行うことをおすすめします。
■ガラスの状態
飛び石や温度差によってガラスにひびが入ってしまうことがあります。
ガラスの点検項目にはそれ以外にもフロントガラスや運転席よりも前方のサイドガラスには、「可視光線の透過率が70%以上であること」という検査基準があります。
紫外線カットシートを貼ることで基準を下回ってしまうと車検に通りません。
車検をうける前には注意しましょう。
■メーターパネルの表示
メーターパネルには、スピードメーターやタコメーターの他に警告ランプが搭載されており、車に何らかの不具合が生じると点灯します。
いずれかの警告灯が点灯している場合、速やかに該当箇所をチェックして整備をしてください。
また、本来点灯しなければならない警告灯が点灯しないなど、警告灯自体に異常があるケースもあります。
この場合も速やかに修理して正しく機能するようにしなければならないので車検前に1度確認を行ってください。
■内装の危険性の確認
内装も車検の検査項目に含まれており、その内容は「前部座席のヘッドレストがない」「シートベルトが破損している」といった内容です。
両方とも事故があった際に身を守るために必要なものとなります。
もしこれらが規定に達していない場合は車検に通らないため、ご注意ください。
■車と車検証が一致しているか同一性の確認
車検を受けるときは、実際の車両の情報と車検証に記載されている車両情報が一致している必要があります。
車検証に記載されている車台番号と実際の車の車台番号が異なると車検をうけることはできません。
車の車台番号の記載場所はエンジンルームやトランクルーム、タイヤハウスなどといったところです。
車検証の記載事項が間違っているケースは少ないものの、念のため、確認をしてください。
車検の検査項目 【動作まわり】
■ライト類の状態
車検を通すには、ヘッドライトやテールライト、ウィンカー、クリアランスランプ、ブレーキランプ、ハザードランプといったランプ類が指示通りに動作しなければなりません。
ライトごとに色や光量に関する基準があるため、車検時には基準に満たしているのかをチェックします。
車検を通らない条件としてはライトが切れているというものはもちろんですが、ヘッドライトの光軸がずれていても車検には通りません。
点灯すればよいという単純なものではないため、車検時のライト類の状態チェックは必須です。
■ウィンドウォッシャーの状態
車はフロントガラスやリアガラスを洗浄するウィンドウォッシャー機能を搭載しており、正常に動作しないと視界を確保できず危険です。
車検では実際にウィンドウォッシャーを操作して、正常に動作するかを検査します。
ワイパーと同時に検査することが多く、故障して全く出なかったり、ウォッシャー液が切れていたりすると不合格になる場合もあるため注意してください。
■ワイパーの状態
ワイパーは雨や雪が降ったときに前方や後方の視界を確保するのに重要な役割を果たすパーツです。
車検ではワイパーがきちんと動作するかを検査します。
動作や機能に問題があると車検に通りません。
アームが折れているといった明らかな状態の不備だけでなく、ゴムが劣化して雨や雪が除去できないケースも不合格と判断されます。
セルフチェックの際にゴムの劣化や切れが見つかった場合には速やかに交換してください。
動作不良があるときには修理が必要です。
■マフラーの状態
マフラーは音や位置、触媒に関する基準が存在します。
マフラーが劣化すると音量が大きくなり、一定の基準を超えると車検に通りません。
また、排気ガスを浄化するための触媒が存在しない場合も不合格になります。
マフラーが劣化していて車検に通るか不安であれば、事前にチェックし、問題があれば交換が必要です。
音量が基準を超えている場合、インナーサイレンサーを取り付ける方法もあります。
■クラクションの状態
クラクションが正常に動作しないと車検に通りません。
保安基準には音量に関する基準(前方7mの位置で87dB~112dB)があるため、音量が小さかったり鳴らなかったりするときは速やかに修理しなければなりません。
音が一定であることも保安基準によって定められているため、高音と低音を選択するタイプのクラクションも不合格になります。
社外品のクラクションに交換するときは、保安基準を満たしているものを選んでください。
■ブーツ類の状態
車検ではドライブシャフトブーツやステアリングラックブーツといったブーツ類の状態も検査します。
ドライブシャフトブーツが破損するとグリスが飛び散り、異音が発生するため、比較的破損に気づきやすいパーツです。
ステアリングラックブーツはタイロッドを保護するパーツで、破損するとステアリングの操作に支障が出ます。
車検だけでなく普段の運転にも大きな影響を与えるため、ブーツ類に何らかの問題があるときは速やかに交換してください。
車検の検査項目 【その他】
■ブレーキの利き具合
ブレーキの検査では、前輪と後輪のブレーキとパーキングブレーキといった全てのブレーキが対象です。
検査内容は回転しているタイヤに対してブレーキをかけて、正常に利くかどうかをチェックします。
ブレーキが正常に利いていない車は安全性に問題があるため、ブレーキパッドやブレーキフルードの状態を確認し、必要があれば交換となります。
■ステアリングをまっすぐにした状態でのずれ具合
ステアリングを真っすぐに維持した状態で、どの程度左右にずれるか確認するのがサイドスリップ検査です。
一定の基準(走行1mにつき5mm以内)を超えて左右にずれると不合格になってしまいます。
特例もありますが、 基準を超えるサイドスリップが発生している場合、前輪のトー角と呼ばれる角度を調整して左右にずれないようにします。
トー角とは車を真上から見たときのタイヤの確度の事をいいます。
タイヤの摩耗や走行時の衝撃によってサイドスリップが大きくなるケースもあるため、不調を感じていなくとも車検前にはチェックしておく方がいいでしょう。
■実際の速度とメーターパネルに表示される速度が同一か
スピードメーターの精度も検査項目に含まれます。
実際の速度とスピードメーターが表示する速度には多少の誤差がありますが、誤差が許容範囲を超えると車検に通りません。
サイズの合わないタイヤに交換をすると誤差が大きくなることもあるため、注意してください。 実際の速度とスピードメーターの表示に大きな誤差がある場合、基準内に収まるように補正しなければなりません。
■排気ガスの濃度
車検で行う排気ガス検査では、排気ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)の濃度を検査します。
地球環境の保護を目的として行われる検査で、合格するには軽自動車の場合で一酸化炭素濃度が1%以下、炭化水素濃度が500ppm以下でなければなりません。
スパークプラグの不完全燃焼やカーボンの蓄積が原因で基準値を超える場合もあるため、適切に整備することが大切です。
車検に落ちやすい項目
■ヘッドライト
ヘッドライトはレンズに黄ばみ・曇りがあったり、保安基準を満たさない社外品のバルブに交換していたりすると車検には通らないです。
自分では気づきにくい部分にもなりますので、車検前にご確認ください。
■ブレーキ
老朽化によってブレーキがうまく利かずに検査で引っかかるというパターンもあります。
直進したときの車のズレを見るサイドスリップ検査では、1メートル走行して5ミリ以上ズレが出る状態だと車検に落ちます。
日頃の運転に違和感を覚えている場合は1度確認をしてみてください。
■ドライブシャフトブーツ ・ステアリングラックブーツ
ドライブシャフトブーツとはエンジンからタイヤに力を伝えるための部品につけられているカバーの事で、ステアリングブーツとはハンドルからの力をタイヤに伝えるための部品につけられているカバーの事をいいます。
この2つは運転時のコントロールに大きく関わってくるため、いずれかに破れがあると確実に車検に落ちます。
■サイドスリップ検査
車検工場等で行えば、車検工場の職員が操作するので問題はないのですが、ユーザー車検などの車検ラインを自分で持ち込む場合は自身で操作を行わなければいけないので落ちやすくなっています。
ご自身で車検ラインに持ち込む際はご注意をお願い致します。
車検に通らなかった場合は
検査当日に再検査を受けられないときは「限定自動車検査証」を発行してもらわなければいけません。
限定自動車検査証は15日間の有効期限があり、期間内であれば車検証が無くても運転が可能です。
15日以内であれば不備のあった部分だけの検査で済むのですが、15日以内に受けられないときは最初から検査を受け直しになってしまいます。
そうなってしまった場合はレッカー車や仮のナンバープレートの用意が必要になってしまいますので再検査になってしまった場合は早めに修理を行うようにして下さい。
車検前にセルフチェックが可能な項目
車内であれば
・ワイパーの動作に問題ないか、老朽化していないか
・ライトやランプなどの灯火類は正常につくのか
・ヘッドレストやシートベルトは正常に使えるか
・メーターパネルの警告灯が点灯していないか
車外であれば
・フロントやサイドガラス、ミラー類にひび割れがないか
・フロントガラスや運転席よりも前方のサイドガラスに透過率70%以下のシートが貼っていないか
などといった部分は自分でもチェックできる部分となっているので車検に持っていく前に確認することをおすすめします。
特殊車種の車検・検査
一般の国内車であれば、特に気にせず近くの車検場、指定工場に持ち込めば問題はありません。
しかし車検をうける際に気を付けたほうがいい車種、車があります。
いわゆる特殊車種にあたる車は車検ができるところとできないところがあるのでご自身お車が該当する場合は一度確認をお願いします。
■構造変更(改造)車
車の構造が車検証に書かれている内容と異なる場合は「構造変更検査」を受ければいけません。
「構造変更検査」とはボディサイズの変更や乗車定員の変更などの保安基準に抵触する恐れがある場合は受けておいてください。
■輸入車
車検項目自体に国産車との違いはありませんが、基準値の設定や測定方法が国産車とは異なり独特で専門知識も必要となります。
持ち込んだ先の車検場が車検の実施が可能か確認を行ってください。
まとめ
車検における各項目を今回は説明しました。
車検をうける場所によっては、検査項目に満たない部分があった際に時間が想定よりも伸びてしまうこともあります。
自分で確認できる場所は日頃、こまめに確認を行うことをおすすめします。
また車検をうけることが初めてという人や、今回説明した部品がどのあたりにあるのか気になるという方は 「車検の速太郎 足立店」にぜひご来店ください。
「車検の速太郎 足立店」では立合い車検を行っており、お客様ご自身の目で自分の愛車の点検項目を確認することができます。
工場内に車検ラインを持っているため、自分で車検場に持ち込む必要もありません。
さらに待ち時間も最短45分と短い時間で可能なので、ご自分の大事な車をしっかり確認してから車検をうけたいという方はぜひ「車検の速太郎 足立店」までご連絡ください。